このモデルは、弱肉強食(predator-prey)の生態系を探索するものである。このような系では、1つまたは複数の種が絶滅する結果傾向にあると不安定になるといわれている。一方、人口サイズが動揺しても種を継続的に維持する傾向にある場合は、系は安定する。つまり、このモデルには主として2つのバリエーションが存在するといえる。
最初のバリエーションにおいては、オオカミとヒツジはランダムにマップ上に置かれる。各ステップごとにオオカミは体力を消費するので、体力を補充するためにヒツジを食べなくてはならない(体力が0になるとオオカミは死んでしまう)。人口規模を維持するために、それぞれのオオカミやヒツジはステップごとに繁殖する確率を固定で与えられている。このバリエーションは興味深い人口ダイナミクスを生じるが、最終的には不安定なものとなってしまう。
2つめのバリエーションは、オオカミとヒツジの関係に牧草の要素を加えたものである。オオカミの振る舞いは1つめと同じだが、今度はヒツジが自分の体力を維持するために、牧草を食べなければならない(ヒツジも体力が0になると死んでしまう)。一度牧草が食べられてしまうと、一定時間後にならないとまた食べられるようにならない。このバリエーションは1つめよりも複雑だが、一般的に安定的である。
このモデルについては以下の文献に詳細が述べられている
ヒツジの数 | 初期状態のヒツジの数 |
オオカミの数 | 初期状態のオオカミの数 |
ヒツジの繁殖率 | ヒツジが各ステップごとに繁殖する確率(0だと繁殖しない) |
オオカミの繁殖率 | オオカミが各ステップごとに繁殖する確率(0だと繁殖しない) |
牧草要素 | ヒツジの食物となる牧草の要素をモデルに含めるか OFFだとヒツジは1ステップごとに体力を回復する ON だと牧草が成長するまでヒツジは食べられない |
牧草成長ステップ | 牧草が成長するまで要するステップ数 |