この表は、学校へのインターネット導入に際しての複雑な仕様をできるだけ単純化してまとめたものである。以下の条件の組み合わせによって実際のネットワーク仕様が決定される(場合によっては組み合わせ不可能なケースもある)。
特徴 | 問題 | コスト | 自由度 | 安全性 | ||
回線種類(どのような手段を用いてつなぐか) | ||||||
常時接続 | 専用線による安定接続、高帯域。NTT回線以外(CATVなど)を使う方法もある | 高コスト | 高、3.8万程度から月額固定 | ◎ | ◎ | |
間欠接続(インターネット専用) | 共用による利用競合がない | 月々支払いに変動あり。十分な帯域確保が難しい。従量制のため利用時間が限定されがち。 | 1日8時間・月25日稼働で月4万円+基本料金、月額制サービスもあり | ○ | ○ | |
間欠接続(FAXなどと共用) | 現有電話回線をISDNに切り替えるためコストがかからない | △ | ○ | |||
接続形態(各学校とどこをむすぶか) | ||||||
教育センターに接続 | 学校・センター間のセキュリティが確保できる | センターに常時接続の専用線・着信設備・サーバ設備、および技術担当者を配置する必要がある | 高、機材・維持管理コスト | - | ◎ | |
プロバイダに接続 | センターに着信設備を持つ必要がない | 通信料以外にプロバイダへの支払いが生じる | 安、プロバイダへの支払い | - | ○ | |
構内ネットワーク配線整備(LAN)(学校内にネットワーク配線をどの程度行うか) | ||||||
全校 | 教室や職員室などどこからでも気軽にアクセスできる | 配線・施工にコストがかかる | 高、配線材料、施工費 | ◎ | - | |
特定教室のみ | 配線工事が比較的楽に行える | 特定の教室からしかアクセスできない | 安、配線材料、施工費 | ○ | - | |
LANなし | コストなし | 実質操作できるコンピュータが1台になるので、教師が演じて見せる程度の活動しか期待できない | 無 | × | - | |
回線接続装置(回線とネットワークあるいは機器を接続するための装置) | ||||||
ネットワーク型接続(ルータ) | インターネットに複数機器を接続するために必要 | モデム・TAと比較すると高価 | 4万円〜 | ◎ | - | |
クライエント型接続(モデム・TA) | 比較的安価 | 原則として1台しかインターネット接続できない | 2万円〜4万円 | △ | - | |
サーバ設置形態(メールやホームページのデータを配信する機能をどこに置くか) | ||||||
各学校に設置 | 学校ごとに独自のサービス展開が可能。メールアドレスが自在に配布できる。 | 学校ごとに運用管理者が必要、サポートコストがかかる | 高、機材・維持管理コスト | ◎ | ○ | |
教育センターに設置 | センターで情報を集中管理でき、セキュリティも考慮した域内限定のサービスが構築可能 | センターでの運用管理に負担が集中しやすい | 中、機材・維持管理コスト | ○ | ◎ | |
サーバなし(外部に依頼) | 維持管理業務を外部に委託できる | 外部委託のため提供サービスが制限され、自由が利かない | 場合による | △ | ◎ | |
メールアドレス(電子メールのIDをどの程度配布、管理運営するか) | ||||||
全教員児童生徒に配布 | 児童生徒の主体的なネットワーク活動が期待できる | 維持管理が煩雑になりやすい | 高、作業コスト | ◎ | - | |
一部に配布 | 数が少なければ維持管理が楽 | 限られた者しかネットワークに参加できない | 中、作業コスト | △ | - | |
1校あたり1アドレス | 児童生徒の主体的ネットワーク活動は難しい | 安、作業コスト | × | - |