電子教科書20の質問その2
電子教科書20の質問(2010.02.14 http://twilog.org/koshix)の質問に答えてみます。ちなみに私は学校教育の情報化が専門ですが、ハードまわりにはあまり興味がありません。
12.Q12:小学校1年生から使うのですか?
子どもたちに広くゲーム機が普及していることを考えると、むしろ小1からの利用を前提とすべきです。当然、発達段階に応じたUIや機能が提供されなくてはいけません。小1~3は手仕事との兼ね合いも配慮しつつ、段階的に可塑的なデジタルの環境に親しんでもらいます。ガジェット単体でフル機能が活用できるのは小4以降になるでしょう。
13.Q13:家でも使えるのですか?
充電・物品管理の都合やデジタル・デバイドに配慮すれば、家庭で使えることは重要です。また、家庭だけでなく図書館・サークル・塾・オンラインストア等を介してもコンテンツサービスを受けることができます。
パーソナル・デジタル・ポートフォリオにデータが保管されているので、デジタルガジェットを介さなくても自分のデータにいつでもアクセスすることが可能です。
14.Q14:壊れたらどうしますか?
緊急の場合は学校の予備機をあて保険で代替機を提供します。データはすべてクラウドのパーソナル・デジタル・ポートフォリオに保管されているので、大半は自動的に復元されます。
【インターフェースの問題】
15.Q15:ノートを指で入力するんじゃないでしょうね?
指以外にスタイラスペン、外部接続のキーボードが利用可能です。高学年はキーボード利用が標準になるでしょう。
16.Q16:音声入力,文字認識,翻訳はできますか。
DS/iPhoneと同等の機能を備えますが、発達段階に応じて機能は制限解放可能にします。
17.Q17:教科ごとに別のソフトの使い方を覚えるのですか?
いいえ、ユーザーからみれば教科別にソフトを構成する理由がありません。基本機能のインタフェースと操作は共通です。
【教師の指導の問題】
18.Q18:教員が使いこなせるでしょうか?
UIはきわめて単純かつ直感的なので日常操作に研修等は一切必要ありません。授業進行に必要なデータはすべてデジタルガジェットで提供され、かつ、校務に必要な出欠確認、所見記入、採点・成績集計にも用いるので、使いこなせないと失職します。
デジタルガジェットは子ども(保護者)所有で、かつ、学びの道具として保証されているものなので、子どもが学校に持ち込むことや授業で利用することを拒むことはできません。(←これ重要)
19.Q19:プリントの配布や宿題のチェックはどうなりますか?
担任は子どものパーソナル・デジタル・ポートフォリオに対してアクセス権を期間限定で得ることで、プリントデータの配信や宿題データの回収チェックを行うことができます。コンテンツレイヤ機能を用いてコメント付加したり赤ペン添削することが可能です。
【データ管理の問題】
20.Q20:古い教科書やノートはどうなりますか?
過去のデータはすべてパーソナル・デジタル・ポートフォリオに残るので、いつでも振り返ることができます。
21.Q21:個人情報とか著作権とかどうなりますか?
個人情報に関して、パーソナル・デジタル・ポートフォリオは子ども(保護者)所有であり、学校側は期間・領域限定のアクセス権を契約許諾される形で管理をオーバーライドします。
著作権に関してはフェアユース等の配慮がないと面倒なことになりそうです。