新たな情報通信技術戦略の策定に関するコメント #2

提案4点に関する解説
これらの課題に対して提案したいのは、先に示した4点である。

A) 教育の品質向上と高度化
学校教育カリキュラムは常に社会変化を先取りするものでなければならない。「A) 教育の品質向上と高度化」は情報通信技術を活用することで、必要とされる教育内容の品質を担保し、さらに情報社会に要求される高度性の確保を目指すものである。
すなわち、情報通信技術は末端の教具ではなく、教育課程そのものの品質マネジメントに関わる位置づけに置くのが妥当である。また、情報通信技術により、これまでのメディア環境では不可能であった学習形態や学習成果の共有が可能となる。これらは、メディアに拘泥されたカリキュラムを解き放ち、次の世代に必要とされる要素を大胆に取り込むことを可能にするであろう。

B) 戦略的学校運営と効率化
組織マネジメントが求められるこれからの学校には、情報化による「B) 戦略的学校運営と効率化」が必要である。学校評価制度や地域運営学校等、地域の学校として自律的な学校運営を行うには、学校管理者のマネジメント能力に加えて、膨大な教育情報を元にした合理的な意思決定と情報集約・分析・処方に関する効率化が求められる。これらは学校や自治体教育委員会単位だけでなく、教育品質を一定レベルに保ち、場合によっては処方するための国家的な仕組み(データフレームワーク)が必要である。

C) デジタルネイティブのための知的活動支援
「C) デジタルネイティブのための知的活動支援」は、大人目線の実務教育ではなく、学習者の知的生活・知的発達の視点から、情報通信技術との接点を再構成するものである。子どもたちの関心動機付けや操作能力、認知能力に着目し、創造性やコミュニケーションの要素を発達段階に合わせて安全かつ効果的に提供する。

D) 学校広報による信頼形成
「D) 学校広報による信頼形成」は、校務情報化に含まれていた項目を独立させたもので、保護者・地域が学校と積極的に関わるための条件整備を目的としている。学校・保護者・地域連携の重要性が指摘されて久しいが、周囲から学校に対する十分な支持と支援が得られなければ、クローズドなSNSを設けても十分機能するとは考えにくい。学校広報は公(パブリック)に対する積極的情報提供をもとに、信頼形成を行うことから開始し、将来的には学校関係者評価や学校運営への参画までを目途とした活動をオーガナイズするものである。

⑧重点施策に関するスケジュールについて
(本稿では省略する)

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