【研究会】12/8 こどものSNS/SMS最前線

2017年9月発足した「GLOCOM六本木会議」では、情報通信分野の技術革新と新しい社会への移行を産官学民の多様なステークホルダを交えて議論しています。「教育情報化のブレイクスルー」分科会では、第1回研究会を12/8に開催いたします。

概要

話題提供

「ポジティブな情報モラルを作る」
今度珠美(情報モラル教育アドバイザ・鳥取大学大学院 院生)

これまで学校では,ネットやスマホの危険や怖さなどを強調する情報モラル教育や安全教室などを行なってきました.児童生徒はこのような指導を何度も受けてきましたが,その場で模範的な回答ができたとしても,実際には適切な利用につながるわけではありません.今の子ども達にとって,インターネットを介したコミュニケーションツールは欠かせないものです.その利用を止めるような指導をすることは実態に合わないだけではなく,子ども達の反発につながることもあります.インターネット機器の利用やインターネットを介したコミュニケーションが,多くの子ども達に欠かせないツールであることを受容し,適切な利用を学ぶポジティブな情報モラル教育こそ提案すべきだと考えます.子ども達が意識しなければいけないのは,不適切な利用の仕方ではなく,適切な利用によるメリットなのです.

2017/10に刊行された書籍はこちら「スマホ世代の子どものための主体的・対話的で深い学びにむかう 情報モラルの授業

「LINEが考えるCSRとしての情報モラル啓発」
江口清貴(LINE株式会社 公共政策室長)

IT技術や,スマートフォンの急激な普及を契機として,人々が意図せず現実世界とネットワーク空間とをシームレスに行き交うのが日常となりつつあります.
その急激なネット化の最中で起きた事件・事故などをはじめ,いわゆる“LINEいじめ”等の社会問題に対し,当社は事業者としての取り組みを行ってきました.
全国で情報モラル教育啓発を年間2000回以上実施し,またネットトラブルの原因や傾向を掴むため,全国の中高生10万人にアンケートを実施し,子どもたちのネット利用環境について本気で進めてきた調査研究等についてお話させて頂きます.
キーワードは,「ネットは“仮想空間”ではなく,“現実の拡張空間”である.」
すでにネットは現実世界とリンクしていて,社会にとって不可欠になったのが今の現実であり,大人たちがネットを何か特殊な環境という概念を捨てる時にきています.
次世代を担う子どもたちに最低限の生活技能としての情報利活用技能の習得を促すことと,現実世界での“道徳”を養うことで,世間で指摘される諸問題の多くは解決出来るのではないでしょうか.

参考資料はこちら(LINE安心安全ガイド)
LINEと長野県による、LINEを利用したいじめ・自殺相談事業の中間報告資料を公開 2017.11.16
トランスコスモスとLINE、「全国SNSカウンセリング協議会」を設立 2017.12.06

 

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