03 ステークホルダとは

ステークホルダ(stakeholder)とは利害関係者を指します。学校広報では、ステークホルダを対象とした活動を行います。

ステークホルダの概念は、もともと企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responcibility)に由来するものですが、もはや企業に限った概念ではなく、行政や公共機関でも同様のとらえ方がなされています。重要なのは、CSRにおけるステークホルダが社会(social)にまで広がっているように、学校もまた社会とのつながりを持つ以上、学校広報のステークホルダ範囲をかなり広くとらえる必要があるということです。

表:学校広報のステークホルダ

顕在的
ステークホルダ
組織主体 教育委員会・管理職・教職員
コスト負担 自治体・納税者
直接受益者 児童生徒・保護者
潜在的
ステークホルダ
外部関係者 地域社会・市民
間接関与者 保護者以外の家族
転入学希望者・卒業生
一般社会人

表のように、学校広報のステークホルダには、顕在的ステークホルダと潜在的ステークホルダの二種類があります。

顕在的ステークホルダは、学校側が具体的な相手を直接認識可能なケースを指します。一般的な対象として真っ先に考えられるのは「保護者」ですが、それだけではなく、組織内部の管理職や教職員、教育委員会、あるいは、公金支出のアカウンタビリティを果たすための自治体や納税者といった対象もまたステークホルダの範疇に入ります。

潜在的ステークホルダは、学校側が相手を直接認識困難なケースを指します。いわゆる不特定多数と呼ばれる存在です。たとえば、転勤等で転入学を希望する保護者の多くは、学校ウェブサイト等で転居候補地付近の下調べを念入りに行うといいます。また、社会人になっても母校の様子を気にかける人々は意外に多いものです。こういった対象は、不特定多数であるがゆえに、これまでは学校側から直接到達困難だったのですが、学校ウェブサイトを意識して整備すれば、効果的に情報を伝えることができます。

先にも述べたように、学校は社会とつながりを持つ公共機関ですから、目先の保護者のみならず、広く学校に関心を寄せる人々に対して、いかに的確な広報を行うかが求められていると言えます。

おすすめ