07 学校広報の目的段階

学校広報の目的とは、段階別に宣伝・信頼・協働の3つがあります。

記事01で示したように、学校広報の概念は包括的ですが、学校側の認識や周囲の事情に応じて、具体的な目的段階は主に以下の3点に分けられます。

  1. 宣伝
    学校選択制や児童生徒募集に伴って生じる「宣伝」は、学校広報としては一番低いレベルの目的です。Doyl M. Bortnerはこれを販促主義(Salesmanship)といって、本来の学校広報のコンセプトとは相容れないと述べています。
    宣伝には、都合の良いイメージだけを売り込むという不誠実(事実の誇張、不十分な説明、不利な情報の隠蔽)が含まれており、一時的にステークホルダを欺くことはできても、継続的な信頼関係を結ぶことはできません。
  2. 信頼
    社会的な学校不信を背景に伴って生じる目的が、学校とステークホルダとの「信頼」関係構築です。
    学校ステークホルダの情報欲求にきちんと応え、信頼と安心を獲得するという意味で、「日常的学校広報」が信頼関係構築に果たす役割はかなり大きいといえます。ただし、頻度・提供情報・組織的関与が限定的であったり、取り組みが不誠実であったりする場合は、十分な効果を上げることはできません。
  3. 協働
    地域運営学校や学校評価など、学校運営に対してステークホルダの積極的な参画を必要とする段階で生じる目的が、学校とステークホルダとの「協働」関係構築です。
    信頼関係だけでは、往々にして「信頼しているから全部お任せ」になってしまいがちです。これは学校とステークホルダとの間にまだ距離があるからです。より踏み込んだ参画を得るには、学校活動全体をよく説明し、(面倒な資料も)一定理解してもらう必要があります。このような「説得的・戦略的学校広報」が学校広報の最終到達点といえます。

残念ながら、学校広報は「イコール宣伝」と早合点されて、「そんなものは学校に必要ない」と反論をいただく事がままあります。Bortnerが言っているように、宣伝は学校広報のコンセプトから見ると異質なものだし、粉飾や不誠実は学校の倫理観にもなじまないので、この段階「宣伝」を強調しすぎると、必ず現場の反発を食らいます。ゆえに、学校選択制があろうとも、生徒募集があろうとも、まず、学校が手がけるべき広報は「信頼」からが正解といえそうです。

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