スマホ持ち込み時の学校対応
教育情報化に関する保護者意識 #1-4
学校へのスマートフォンの持ち込みが可能な場合、
学校はどのような取り組みをするのが、望ましいと思いますか。
学校へのスマートフォン持ち込み時に学校が取り組むべき事柄については14項目を設け,賛成(+2)から反対(-2)の5件法で尋ねた.回答分布を図 1に示す.
因子分析と因子得点の比較
これら14項目を因子分析に投入したところ、第1因子(安全利用因子),第2因子(積極活用因子),第3因子(保護者因子)の3因子を用いて,全体の57.59%が説明出来ることが分かった.因子間の相関は表 1の通り.これによると安全利用因子と保護者因子の相関はr=0.621だから,安全利用のための指導対応と保護者向けの対応については比較的高い関係性を持つことが分かる.
第1因子 | 第2因子 | 第3因子 | |
第1因子 安全利用 | 1 | 0.260 | 0.621 |
第2因子 積極活用 | 0.260 | 1 | 0.366 |
第3因子 保護者 | 0.621 | 0.336 | 1 |
この項目群では因子を代表する尺度項目数が綺麗にまとめきれないので,因子分析時に出力した因子得点を子どもの学年別にまとめて図2に示す.
安全利用因子と保護者因子は未就学から中3までは比較的高く,高1以降では急激に下がるのが特徴的である.小3に一つピークがあるのは,発達段階的な課題があることを推測させる.
一方,積極活用因子は小4から中3までが比較的低め(抑圧的)であるのに対し,高1以降は急速に高まる傾向にある.前項とあわせて述べれば,高校生以上に対しては,活用に向けた積極的対応が学校に求められている事を示している.
まとめ
スマホ持ち込み時の学校対応については…
- 【安全利用】抑制的指導と【保護者】向け対応は小3にピークがあり,高1以上は顕著に低下する
- 【積極活用】の促進は高1以降で急激に上昇する
- 中学校段階までの抑制的指導とともに,高校以上での積極的活用対応が期待されている
注)本稿は2019年6月に実施した保護者対象アンケートの論考(JSET19-5)をブログ記事に起こしたもの。予稿本体はこちらからどうぞ。