日本のネット利用時間は世界平均より短い

PISA2018分析シリーズ その10

PISA2018分析のもくじはこちらその9からの続き

IC005~7はいずれもネット利用時間を尋ねる項目。それぞれIC005は学校、IC006は学校外、IC007は休日が対象だ。

IC005 学校のある日に、学校でインターネットをどのくらい利用しますか。
IC006 学校のある日に、学校以外の場所でインターネットをどのくらい利用しますか(携帯電話での利用も含む)。
IC007 休みの日に、学校以外の場所でインターネットをどのくらい利用しますか(携帯電話での利用も含む)。

回答選択肢は、① 利用しない ② 1日に1~30分 ③ 1日に31~60分 ④ 1日に1時間より長く2時間まで ⑤ 1日に2時間より長く4時間まで ⑥ 1日に4時間より長く6時間まで ⑦ 1日に6時間より長い の7択。
これらの項目はPISA2012以降継続調査されている。

ちなみに、Twitterで次のような質問をしてみたところ、世界平均より長い方と回答した人が多かった。これも興味深い。

学校では45%が利用なし

図1 学校でのネット利用時間の推移

図1には、IC005 学校でのネット利用時間について、PISA2012・2015・2018の全体と日本の回答分布を示した。2018の結果を比較すると、全体で最も回答が多いのは ② 1~30分で25%を占めるが、日本で最も回答が多いのは ① 利用しないで45%である。
2012→2018と調査回を重ねるごとに学校での利用時間は増加傾向にあることが分かる。

校外では2~4時間利用が多い

図2 校外でのネット利用時間の推移

図2には、IC006 校外でのネット利用時間について、PISA2012・2015・2018の全体と日本の回答分布を示した。
2018の結果を比較すると、全体も日本も最も回答が多いのは ④ 2~4時間で、それぞれ26%・30%を占める。 ただし、日本の方が長時間利用者の割合は明らかに少ない。
2012→2018と調査回を重ねるごとに校外での利用時間も増加傾向にある。

休日は長時間利用の傾向

図3 休日のネット利用時間の推移

図3には、IC007 休日のネット利用時間について、 PISA2012・2015・2018の全体と日本の回答分布を示した。
2018の結果を比較すると、 全体で最も回答が多いのは ⑦ 6時間以上が33%を占めている。一方、日本で最も回答が多いのは ⑤ 2~4時間で31%であった。日本の方が長時間利用者の割合は少ない。
2012→2018と調査回を重ねるごとに休日の利用時間も増加傾向にある。

日本のネット利用時間は世界平均より短い

図4 ネット利用時間の国別平均

他国/地域との関係を把握しやすくするために、① 利用しない(0) ② 1日1~30分(15) ③ 1日31~60分(45) ④ 1日1~2時間(90) ⑤ 1日2~4時間(180) ⑥ 1日4~6時間(300) ⑦ 1日6時間以上(420) とカッコ内の数値を割り当てて国別平均を求め、図4にそれぞれプロットした。
黄色線が日本、灰色線が全体、比較のために水色線をデンマークとした。参考値は次の通り、

学校での利用時間平均は、日本38分・全体89分・デンマーク211分である。
校外の利用時間平均は、日本147分・全体187分・デンマーク242分である。
休日の利用時間平均は、日本227分・全体257分・デンマーク299分である。

日本の子ども達のネット利用時間が世界平均からみればかなり短い傾向は、実は、PISA2015でもみられた現象である。普段の子ども達の様子を知る大人は過少申告を疑うかもしれない。とすれば、おそらく利用抑圧的な情報モラル教育が背景であろう。

まとめ

  • IC005~007は、校内・校外・休日の1日あたりのネット利用時間を尋ねている。
  • PISA2018の全体平均利用時間は、校内利用(89分)<校外利用(187分)<休日利用(257分)で、PISA2012→2018で増加傾向にある。
  • PISA2018の日本平均利用時間は、校内利用(38分)<校外利用(147分)<休日利用(227分)で、PISA2012→2018で増加傾向にあるが、常に全体平均より低めの位置付けにある。

次に続きます

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