学習指導要領とICT活用 #3

スウェーデン・ストックホルムの小学校にて創作小説のワーク中

前記事より続く)前もって断っておくと、本記事の核心は愛知県春日井市立出川小学校校長の水谷年孝先生の受け売りである(私自身は教育情報化の政策議論に関わっていないので、経緯にはあまり詳しくない)。

ここ数回の記事で明らかにしてきたように、平成29年度版学習指導要領ではICTの扱いが大幅に強化されたのだが、平成28年12月の中央教育審議会答申には、この学習指導要領の背景となった認識が示されている。キーワードは「ICTの日常化」だ。

資料は「平成28年12月21日 中央教育審議会答申・幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について」(PDF)で、内容は246頁に及ぶ。

このなかでICTの日常化に触れている箇所がいくつか出てくる。

○ また、社会生活の中でICTを日常的に活用することが当たり前の世の中となる中で、社会で生きていくために必要な資質・能力を育むためには、学校の生活や学習においても、日常的にICTを活用できる環境を整備していくことが不可欠である。(情報活用能力の育成 p.38)

○ 加えて、ICTの特性・強みを、「主体的・対話的で深い学び」の実現につなげ、子供たちに情報技術を手段として活用できる力を育むためにも、学校において日常的にICTを活用できるような環境づくりとともに、学びの質を高めるICTの活用方法についての実践的研究と成果の普及が求められる。(発達の段階や子供の学習課題等に応じた学びの充実 p.53)

○ また、基礎的・基本的な知識・技能の習得が重要であることは言うまでもないが、思考力・判断力・表現力等や学びに向かう力等こそ、家庭の経済事情など、子供を取り巻く環境を背景とした差が生まれやすい能力であるとの指摘もあることに留意が必要である。一人一人の課題に応じた「主体的・対話的で深い学び」を実現し、学びの動機付けや幅広い資質・能力の育成に向けた効果的な取組を展開していくことによって、学校教育が個々の家庭の経済事情等に左右されることなく、子供たちに必要な力を育んでいくことが求められる。その際、教職員定数の充実などの指導体制の確立やICT環境などの教育インフラの充実など必要な条件整備が重要であることは言うまでもない。(個に応じた指導 p.58)

○ 条件整備については、第7章3.において述べた学校図書館の充実に加えて、ICTの環境整備を進める必要がある。現在では、社会生活の中でICTを日常的に活用することが当たり前の世の中となっており、子供たちが社会で生きていくために必要な資質・能力を育むためには、学校の生活や学習においても日常的にICTを活用できる環境を整備していくこと、各自治体における環境整備の実態を把握・公表していくことが不可欠である。(教材や教育環境の整備・充実 p.69)

情報化についての背景認識・情報活用能力の定義・各教科の活用部分を省いてもこれだけ記述があるということは、かなり本気度が高いということの表われでもある。一般の先生や教育委員会の担当者はここまで読み込んでくれないだろうけど(泣)。

ちなみに、こうした硬い資料を全文読むのはしんどいという人は全角【ICT】で検索して拾い読みするだけでもいろいろな発見があるので、一度はおすすめしたい。

つぎへ続く

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