むしろ授業外の利用頻度が高い?
PISA2018分析シリーズ その2
項目群IC151は、授業以外でデジタル機器を使う頻度について科目別に尋ねている。
普段の一週間のうち、次の教科について授業以外の時間に(学校か家かにかかわらず)デジタル機器をどのくらい利用しますか。
それぞれについて、あてはまるものを一つ選んでください。
回答選択肢は、①利用しない ②週に1~30分 ③週に31~60分 ④週に60分より長い ⑤この教科を受けていない の5択。
科目は、国語・数学・理科(科学)・外国語・社会科(社会科学)・音楽・保健体育・美術(視覚芸術)。日本の科目には記載がないが、他国は舞台芸術も含まれている。
この項目はPISA2018で新たに加えられたものだ。
授業内との傾向違いに注目
主要国別の傾向を示したのが図1である。日本の授業外使用頻度(週1分以上)は53カ国/地域中やはり最下位の15%だが、授業内の利用頻度IC150との傾向違いに注目すべきは2~7番目の国の膨らみ方で、授業内と同等か授業以外での頻度が高い。つまり、宿題や家庭での学習にデジタル機器が用いられていることを示唆している。
教科別に集計し直してみた図2をみても、それぞれの科目で授業内よりも10%以上頻度が高い。主要科目で52~60%が利用している。実技科目がやや低めの傾向になるのは授業内と同じ。
シンガポールは授業外の頻度の方が高い
授業外頻度の方が高い典型はシンガポールである。どの教科も授業内より20%以上多い。ただ、これだけではどのような用途に用いられているかは分からない。
日本は外国語・国語・数学の順
日本の場合も授業内よりも授業外の方が若干高めだが、目立つほどの傾向は見当たらない。ただし、科目順は外国語・国語・数学の順に変わっている(授業内での科目順は外国語・社会科学・科学)。
まとめ
- IC151項目群は、授業以外のデジタル機器を使う頻度について尋ねている。
- 全体でみると主要科目で52~60%が利用、実技科目で低めになる傾向は授業内と同じだが、いずれも授業以外の利用頻度の方が、授業内より10%程度高め。
- 国/地域別ではデンマークが72%でトップ、日本は最下位の15%。